日本道徳教育学会 神奈川支部
2014.3.2
於 國學院大學 たまプラーザキャンパス1号館
星野先生からは、中学校に38年間勤務された経験をもとに次のようなお話を聞かせていただきました。
・道徳の時間は、教師が多く語るのではなく、子どもの話を引き出して聞いていく場である。
・まずは学級経営が基盤となり、自分の考えを言える学級かどうかが大切である。
=「どんな発言をしても許される学級」であるべき。
それには、普段教師が子ども一人一人の声にどれだけ耳を傾けているかが大切。忙しい時ほど、
悠然と構えて聞く姿勢がほしい。
・川崎の中学校では「間接体験資料」をもとに話し合いを行っている。それぞれの考え方の違いが
出たときに、どうして違うのか、と話し合うところが「話し合い」になる。意見を出し合っているだけ
では話し合いにはならない。
主人公の行動をどう思うのかを聞く場合に1度だけ聞くのではなく、何度も問い返す中で、その子が
どう思うのか、を掘り下げていきたい。
・道徳では、子どもの意見をしっかり受け止めて、他の子どもに広げていくことが大切である。
声に出して意見を言っている子どもは数人かもしれないが、聞いている子どももしっかり考えるよう
な授業にすれば、全員で考え合っていることになる。
・そういう意味で、教師と生徒が1対1で話しているのではなく、子どもたち同士をつなげていくことが
大切になる。「同じことを言っていても、AさんとBさんは、少し違うね。どう違うんだろう。」と考えていく
ことが広げることにつながる。
・たとえば、「思いやり」についての考えは10人10色。違う見方を知ることが大切である。
たとえ自分自身の考え方が今は変わらなくても、違う見方を知ることに意味がある。
・道徳の時間には、自分がどれだけ考えたのか、自分の考えをどれだけ深めたのか、が大切になって
くる。